ブックレビュー
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「街場の憂国会議」
日本はこれからどうなるのか

編者 内田樹編 小田嶋隆、想田和弘、高橋源一郎、
中島岳志、中野晃一、平川克美、孫崎享、鷲田清一
晶文社(263ページ、1600円、税別)








日本は、「滅びの道」を進んでいるのではないかー。昨年末、特定秘密保護法が成立した時点で、安倍晋三政権に民主主義の危機を感じた論客9人の憂国の言説である。

原発再稼働、集団的自衛権、特定秘密保護法など、武器輸出三原則の撤廃―のどれも日本の危機的状況を示すものだが、評論家の小田嶋氏は、安倍首相が「躁状態に似た気分の変化の中にいる可能性」があり、制御し難い気分変動に見舞われていとすれば、「国難だ」と説く。

映画作家の想田氏は、安倍政権はファッシズムを志向する勢力に、支配されていると指摘し、政治学者の中野氏は、政治家がグロ―バル企業にバックアップを受けていたら代議制は、機能不全に陥ると懸念する。

呼び掛け人の内田氏は、安倍政権の目指す日本は「国民国家の株式会社化」にある。政治がグローバル企業の経営戦 略や株価の動きに連動していたら、漂流しかねない。中国や韓国など近隣諸国に対して示す冒険主義的なナショナリズムが、企業の経営者やビジネスマンなど幅 広く受けているのは、彼らの敵が「民主制の残滓」にあるからだろうと分析する。

いずれの論者も日本の政治が異質のものに変わりつつあると見る点で一致するが、さてその先が民主主義に敵対するファッシズムだとしたら、危険この上ない。

 


  2014年7月22日(火)

栗原 猛(くりはら・たけし)
朝鮮生まれ。新聞社記者を経て、マスコミ志望の学生と活動中。著書は「改革はなぜ進まないか」、編著に「私の後藤田正晴」「評伝 奥野誠亮」など。趣味は古寺古社めぐり。
    
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