ブックレビュー
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介護はつらいよ

著者 大島一洋
小学館(1400円、税別)





東京へ逃げなかった7年半の記録


本書は「そら飛ぶ庭」に「田舎日記」と題して7年半連載したものの中から、介護に関する部分を集め、修正・加筆したものである。
私は昔から、日記をつける習慣があるが、このサイトの連載がなければ、本にはならなかっただろう。その点「そら飛ぶ庭」に感謝している。

この本の特徴は、男一人で両親を介護したことである。東京暮らしの長かった私は、2006年に父が倒れたため、実家の岐阜県中津川市に帰ってきた。妻は義母の自宅介護があるため、中津川へは来られなかった。つまり、中津川に肉親は誰もいないのである。

母は認知症で、私を息子と認識できなかった。やがて母は脳梗塞になり、自宅でのおむつ生活を迎えた。私のことを介護師と思っているので、おむつ替えに支障はなかった。自分の息子とわかっていたら、おむつ替えを嫌がっただろう。
今から思うと、この母のおむつ交換が大変だった。まさに糞まみれ状態だった。

父は大正2年生まれの頑固親父で、文句が多い。なんど喧嘩したことか。すべてを放り出したくなったこともある。ただ、私は後へは引かなかった。

母は2008年に亡くなった。誤嚥性肺炎である。
母を亡くした父は、寂しそうで、長くは持たないと思っていた。ところが、2012年に老人ホームに入ったものの、満100歳で健在である。しぶとい父である。

私は現在70歳。典型的な老々介護だ。人は介護し、介護される日が必ずやってくる。ことに団塊と呼ばれる世代は、いまそこにある問題である。
私の体験は役にたちます。ぜひ読んでください。
                                 (大島一洋)


 
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